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携帯電話で音楽を聴く時代

音楽の聴き方が変わってきたのはいつ頃からだっただろうか。
この半世紀ほどを振り返ってみても、昭和30年代にはまだ一般庶民が聴けるのはラジオくらいしかなかったのではないだろうか。
やがて東京オリンピックを過ぎ、昭和40年代になると一家に1台テレビがある時代になる。
その頃ヒットした歌謡曲はどこの家でも共通してテレビやラジオで繰り返し聴かれていたので、同じ時代を過ごした人たちの耳には強烈な記憶として残っているようだ。

昭和50年代になるとステレオ装置は巨大な家具調からコンポーネント型に変わり、若者の間ではラジカセで手軽に音楽を楽しむことも定着する。
そして50年代後半にソニーから「Walkman」が登場する。
音楽は家の中だけでなく、どこででも、何をしながらでも聴くことが出来るようになった。
今に至る携帯型音楽プレーヤーの歴史はここから始まっていると言っても良いだろう。
この時は再生オンリーのカセットテーププレーヤーでしかなかったわけだが、「Walkman」はその後の携帯型音楽プレーヤーの代名詞的名称になったのである。

その後携帯音楽プレーヤーで聴く音楽メディアはCD、MDと移っていき、プレーヤーの機能もラジオ付きや録音可能な機種などが出たが、「音楽を聴く」ことがメインなことには変わりなかった。
この傾向は音楽データを取り込んで聴く現在のWalkmanやiPodでも同様だが、今の時代には携帯型音楽プレーヤーにもう一つの柱が出来ている。

言わずと知れた携帯電話・ケータイがそうであるが、ケータイは当然ながらメイン機能は通話であって音楽ではない。
ケータイで聴く着うたはあくまで個別の記号のような存在であり、もはや「音楽を聴く」と言えるのかどうかは疑問である。
今の時代のヒット曲にかつてのような共有感がないのも、そんな聴かれ方と無縁ではないだろう。
こんな時代に音楽は果たしてその本質を保っていけるのだろうか。